社員総会と理事会について、教えてください。

12名の社員で構成される総合病院の理事をして基金も拠出しています。先日、理事の一人から病気を理由に辞任の申し出がありました。私は、同病院の医師である弟を理事として推薦していましたが、臨時社員総会で否決されました。
 出席した社員は、8名で、賛成が3名(3名とも基金拠出者)、反対が5名(全員基金拠出なし)です。出席していない社員は、4名いるので、結果に納得できませんが、否決だと言われてしまいました。

【非参加者】:4名
【参加者】:8名 賛成:3名 反対:5名

<失敗のポイント>
(1) 議決権は、出資額または基金拠出金額とは異なります。社員1人当たり、1議権となります。
(2) 株式会社のように多くの出資または拠出していることで安閑とはできません。

<正しい対応>
(1) このケースの場合、臨時総会で反対数5でしたので、社員12名の半数にいたりません。
したがって、社員全員が臨時総会に出席した場合には、弟さんの理事が可決される可能性があります。
(2) 実際には、臨時総会に出席した社員数は8名ですから、この人数の過半数で決定されます。したがって、弟さんの理事は否決されて当然です。
(3) 医療法人設立の際の拠出金の多い少ないはまったく採決には関係ありません。

<税法等の解説>
社員総会と理事会
 社員総会は法人の意思決定をする機関で、理事会は社員総会で決定された事項を執行する機関です。

○ 社員総会
医療法人は、医療法人を構成する社員で組織される「社員総会」と役員である理事で組
織される「理事会」で成り立っています。
 社員総会は、法人の最高意思決定機関であり、株式会社の株主総会と同じ役割と権限を持っています。法人運営の重要な事項については、社員総会の議決が必要となります。
 議決を有する事項は、法人の定款の規定に従うことになります。

【例示】
(例:会計年度が4月1日〜3月31日で、3月と5月に定時総会を開催する場合)

定時総会
3月開催定時総会
・ 翌年度の事業計画の策定。
・ 翌年度の予算の決定。
・ 翌年度の借入金限度額の決定。

5月開催社員総会
・ 前年度決算の決定。
・ 剰余(欠損)金の処理。
・ 役員の改選(任期満了の年のみ)。

臨時総会
・ 社員の入社および除名の決定。
・ 社員の入退社に伴う出資持分の変更および払い戻し。
・ 定款の変更。
・ 基本財産の設定および処分(担保提供を含む。)。
・ 基金申し込みの承認。
・ 事業計画の変更。
・ 予算の変更。
・ 役員の改選(理事・監事に欠員の生じたときおよび増員。)。

一般的には議事は出席した社員(過半数の出席)の議決権の過半数で決します。
可否同数のときは、議長が決するものとなります。ただし、解散の議決は社員の3分の
2以上が出席し、総社員の4分の3以上の同意が必要となります。
 また、会議の議決事項につき、特別の利害関係を有する者は、当該事項につきその議決権を行使することができません。
 なお、株式会社と異なる点として、社員は社員総会において、1個の議決権を有しています。出資額(拠出額)の大小にかかわりませんので、注意する必要があります。

○ 理事会
理事会は理事によって構成され、業務内容を執り行うための意思決定を行います。さら
に組織運営上必要な様々な活動を行います。
 また、理事のうち1人は理事長とし、原則、医師(歯科医師)の中から選出しなければなりません。
 理事会で選出された理事長は、医療法人を代表し、その業務のすべてにわたって総括されることになります。

<税理士からのPOINT!>
 議決権は、拠出金額にかかわらず、社員は皆「1」であるので注意が必要です。